建設業許可
建設業とは、建設工事の完成を請け負う営業をいい、軽微な建設工事のみを請け負う事業者を除き、建設業許可を受ける必要があります。また、5年ごと(期間の満了の30日前まで)に許可の更新、毎事業年度終了後(4か月以内)の決算変更届の提出が必要です。当事務所では、建設業許可、経営事項審査及び入札参加資格審査申請に関する相談や質問を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
建設業の許可が必要な業種
許可が不要な場合
軽微な建設工事は建設業の許可は不要です。
建築一式工事の場合・・・工事一件の請負代金が1,500万円に満たない工事または延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事
その他の工事の場合・・・500万円に満たない工事
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1件の工事を500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)以下に小分けして契約しても、正当な理由がない限り合計額で計算されます。
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注文者から支給された材料がある場合はその材料費も含まれます。
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請負代金や注文者からの支給材料費に係る消費税が含まれます。
大臣許可と知事許可
2つ以上の都道府県の区域に営業所を設置して営業をする場合には大臣の許可、1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設ける場合には知事の許可が必要となります。
一般建設業と特定建設業
一般建設業許可とは、特定建設業の許可を受けようとする者以外の者が取得しなければならない許可をいい、特定建設業許可とは、発注者から直接請け負う建設工事の全部または一部を下請代金の額が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結して施行しようとする者が取得しなければならない許可をいいます。
許可要件
次の5つの要件を満たさなければ許可が受けられません。
常勤役員(個人事業者の場合は当該個人または支配人)のうち一名が経営業務の管理責任者としての経験者であること
①
②
営業所ごとに専任技術者を配置していること
③
請負契約に関して不正または不誠実な行為をする恐れが明らかな者でないこと
④
請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していること
⑤
欠格要件等に該当していないこと
経営業務の管理責任者
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許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
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許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって執行役員等として経営業務を総合的に管理した経験を有する者
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許可を受けようとする建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって経営業務を補佐した経験を有する者
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許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
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許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって執行役員等として経営業務を総合的に管理した経験を有する者
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経営業務の管理責任者としての経験
経営業務の管理責任者としての経験とは,営業取引上対外的に責任を有する地位にあって,建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいいます。 具体的には,法人の役員,個人事業主又は支配人,その他支店長,営業所長等の地位にあって経営業務を総合的に執行した経験を指します。単なる連絡所の長又は工事の施工に関する現場の長のような経験は該当しません。 法人の役員や支配人は,商業登記簿に登載されている者をいいます。法人の役員としての経験は,常勤・非常勤を問いませんが,監査役としての経験は経営業務の管理責任者の経験とは認められません。
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経営業務の管理責任者に準ずる地位としての経験
経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者とは,法人においては役員や支店長等に次ぐ職制上の地位にある者,個人においては,事業主や支配人に次ぐ地位にある者をいい,経営業務の執行に関して以下の経験が必要です。
執行役員等としての経営管理経験 許可を受けようとする建設業に関して,取締役会の決議により執行役員等として業務権限の委譲を受け, かつ,取締役会によって定められた業務執行方針に従って,代表取締役の指揮及び命令のもとに,具体的な業務執行に専念した経験をいいます。
ア
経営業務を補佐した経験 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって,許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達,技術者及び技能者の配置,下請業者との契約の締結等の経営業務に従事した経 験をいいます。
イ
平成29年6月30日から経営業務の管理責任者の要件が緩和されました。
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申請する業種と異なる業種での必要経験年数が「7年」から「6年」
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執行役員等の経験について,申請する業種と異なる業種の経験「6年」でも認められます。
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支店長や営業所長に次ぐ地位(副支店長,営業所次長等)の経験も経営業務管理責任者に準じる地位の経営業務を補佐した経験に認められます。
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必要経験年数が6年の経験であれば,種類の異なる経験と合算することが認められます。
※
必要経験年数が5年の経験は他の必要経験年数が5年である経験とのみ合算できます。
<事業主補佐経験により個人で新規許可申請を行う場合について>
○
新規の場合
個人事業主の後継者(配偶者・子)が,成人に達して以降6年以上事業主に準ずる地位にあって, 経営業務を補佐した経験を有する場合,事業主1名につき1名のみ,事業主補佐経験が認められます。
○
事業継承の場合
事業継承とは,建設業許可番号を被承継者と同一のものとし,経営事項審査において,営業年数, 完成工事高実績を被承継者と通年で認めることをいいます(許可の取得は,新規扱いになります) 。
事業継承は,以下のすべての要件を満たす場合に認められます。
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死亡,病気引退,高齢引退,その他の理由で(自己都合であるか否かを問わない)現に許可を受けている事業主(被承継者)が廃業し,事業主の親族(承継者)が営業を引き継ぐこと
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承継者が個人で営業し,許可申請業種が被承継者の受けていた許可業種の範囲内であること
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承継者が成人に達して以降,事業主に準ずる地位に6年以上あったこと
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承継理由が発生した日から,1年以内の申請であること
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申請時に,被承継者の変更届が漏れなく提出されていること
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経営業務の管理責任者証明書の証明者が被承継者又はその配偶者であること
専任技術者
一般建設業許可の場合は次のいずれかに該当する者
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許可を受けようとする建設業種に応じた国家資格等を有する者。
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所定の学科を卒業後、高校の場合は5年以上、大学の場合は3年以上、許可を受けようとする建設業種の実務経験がある者。
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許可を受けようとする建設業種に関して10年以上の実務経験がある者。
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国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者(1・2と同等以上の知識・能力・技術を有すると認められた者)。
下記のような場合には専任技術者にはなることができません
※
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他の営業所の専任技術者となっている場合
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他の建設業者の経営業務管理責任者となっている場合
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他の建設業者の国家資格者となっている場合
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住所が勤務する営業所から著しく遠距離にあり、常識上、通勤不可能と判断される場合
許可を受けて建設業を営もうとするすべての営業所に専任の技術者を置くことが必要です。
※
※
専任技術者は常勤性があるものでなければなりません。
原則として,主任技術者,監理技術者等工事現場の配置技術者になることはできません。
ただし,例外として,次のすべてを満たす場合,工事現場の主任技術者となることができます。なお,主任技術者とは,建設業者が工事を行う場合その請負金額に関わらず現場に置くことが義務付けられる工事の施工上の管理等を担当する技術者をいいます。
※
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当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
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工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接し,当該営業所との間で常時連絡を取りうる体制にあること
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当該工事が主任技術者等の現場への専任が必要となる工事(公共性のある工作物に関する重要な工事(個人住宅の建築を除くほとんどの工事が該当)で請負金額が3,500万円以上(建築一式工事は 7,000万円以上))でないこと
請負契約に関する誠実性
法人、法人の役員等、個人事業主等が請負契約に関し「不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者」でないこと
※
不正または不誠実な行為を行ったことにより免許等の取消処分を受け、処分の日から5年を経過しない場合は許可を受けることができません
財産的基礎または金銭的信用
一般建設業許可の場合(下記のいずれかに該当する事)
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直前の決算において自己資本の額が500万円以上である事。
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500万円以上の資金調達能力のあること。
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直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のある事
※
特定建設業許可の場合は、一般建設業許可よりも条件が厳しくなっています
欠格要件
許可申請書又はその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合
1.
※
故意又は悪意による場合に限らず、過失の場合にも対象になります。許可後に判明したときは、建設業許可取消となります。
法人の場合はその法人、法人の役員等(支店長、営業所長等も含まれる)、個人の場合は、本人または支配人が次の要件に1つでも該当する場合
2.
成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
一般建設業又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
一般建設業又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
②
①
③
③の届出があつた場合において、許可の取り消し処分にかかる聴聞の通知の日前60日以内に当該法人の役員若しくは政令で定める使用人であった者又は当該個人の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
④
営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
⑤
営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
⑥
禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑦
建設業法又は一定の法令に違反したことにより、又は一定の法令の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑧
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(⑬において「暴力団員等」という)
⑨
営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が①から⑨まで又は⑪(法人でその役員等のうちに①から④まで又は⑥から⑨までのいずれかに該当する者のあるものに係る部分に限る)のいずれかに該当するもの
⑩
暴力団員等がその事業活動を支配する者
個人で政令で定める使用人のうちに、①から④まで又は⑥から⑧までのいずかに該当する者のあるもの
法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに、①から④まで又は⑥からまでのいずれかに該当する者のあるもの
⑪
⑬
⑫
手数料
経営事項審査
経営事項審査とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受けなければならない経営に関する客観的事項についての審査で、「経営規模等評価」(国または都道府県が行う)と「経営状況分析」(登録経営状況分析機関が行う)の2つからなっており、それぞれ申請する必要があります。
経営規模等評価手数料
経営状況分析手数料
各登録機関によって異なります。